こんばんは、そらまめです。
普段、リトミックとピアノを教えている私。
保護者の方からよく聞かれる質問の中に、
「ピアノはいつ始めたらいいですか?」
というものがあって。
私のリトミックの師匠は〝そんなん 小学校入ってからで充分〟と言っていたのがとても印象的で、その理由も分かりやすいものだったので それに合わせて
「早すぎないほうがいい。小学校入ってからで全然大丈夫。」
とお伝えしていました。
(基本的には…です。見るからにしっかりした子で、この子は大丈夫そう…と思ったお子さんには、「すぐに始めても大丈夫そう」とお伝えした子もいます。)
その理由の代表的なものとは、
①体(特に 手)の成長と楽器が合っていない(バイオリンなどにあるような、子ども用の楽器がピアノにはない)。
②小さい子は集中力が持続する時間が短いので、長時間椅子に座って のレッスンや練習が苦痛になりやすい。
③(これは指導者目線からの意見ですが)ピアノなどの楽器のレッスンでは、音楽性とは別に弾く技術も同時に伸ばす必要がある。
→音楽性(リトミックを通して伸ばすことのできるコミュニケーション能力・感受性・想像力&創造力…など などなどの力も含む)の成長はゆっくりだし目に見えにくい。それに対してピアノは発表会の舞台も華やかだし、成長が目に見えてわかりやすい。その結果、〝リトミックは辞めてピアノ一本で〟という本末転倒な選択につながりやすい。
④リトミックでは感覚的に行なっていた 音楽の各要素の学習が、ピアノになった瞬間に理論的な学習も必要になる。それには、少なくとも 文字を学習する小学生になってからの方がスムーズに受け入れられやすいし、伸びるのも早い。
…等というもの。
特に③は、現場に立っていて実際にそういう選択をされる保護者の方が多いなぁ、と感じています。
リトミックは小さな子がやるもの、というイメージがついてしまっているのも要因の一つかもしれません。
私自身は、この理由たちに大いに納得しています。本当にそうだと思うことばかり。
だけどさ。
子どもって個人差がすごい。
お手紙交換が好きだったり絵本が好きだったりしてひらがな・カタカナくらいは読めてしまう幼児もたくさんいるじゃない?
そういう子は、早めに始めても大丈夫なんじゃない?
むしろ、みんな一括りに小学生になるまで置いておいたら、最適なスタート時期を逃してしまう子もいそうじゃない?
そして、ピアノとリトミックを同時進行でやったら何かいい効果はあるのかな?
…と思う私もいました。
…ということで、
・2歳4ヶ月〜リトミックを始め、現在も継続中
・家にピアノがある
・男の子
の れんさんのピアノデビュー体験を記録しておきます。
はじめてのピアノ(4歳0ヶ月)は結局定着せずでした。
《4歳0ヶ月 時の特徴》
・ひらがな・カタカナは読める(文字・数字・記号が好き)。文章はたどたどしい。
・文字は見よう見まねで書こうとするけれど、線と線の組み合わせ…という感じ。
・食事中はずっと椅子に座っていられるタイプ。
・手先の器用さは普通。運動はあまり得意ではない。
・私ががっつり仕事に出ていたため、練習できるのはマックスで週3回くらいまで。
『予告のない 初めてのこと』はとりあえずなんでも拒否するタイプの子どもです。
ピアノを始める際に「4歳になってすぐにピアノを始められたらいいなぁ…」と思い、その少し前から、
「4歳になったらピアノをやるよ!」
と声をかけていました。
すると、4歳になってすぐに 当時うちに来ていた数少ない生徒さんを見て、
「ぼく4歳だからやる」
と言ってくれました。
そのタイミングで、気が変わらないうちに…と始めることに。
ちょうど冬休みだったのもあり、はじめの2週間ほどはかなりの頻度で練習することができたのですが、スムーズに練習が進んだ状態で冬休みが開け、そこからは私もいつも通り仕事が始まりかなり間が空いてしまって。
久々のピアノ。
曲は少し難しくなっている。
うまく弾けないことがれんさんのプライドを傷つけしまったのか、
1曲15秒くらいの短い曲をたった10回弾くだけの練習に、なんと2時間もかかってしまいました。
(でも、「やらない」とは言わないんだよね…。士気(?)の高さだけはすごい。)
1時間半だんまりのれんさんと、
そらまめ「じゃあ、もうやらなくていいよ。もうすぐトーマス始まっちゃうよ?
こういうのは頑張るから楽しくなるんだよ。今日じゃなくても、また頑張れる日にやればいいじゃん。」
れんれん「やるもん! でぎるも〜ん!!!」(親も驚くほどの大泣き)→いきなりスラスラ弾き始める
というやりとりをしたのが懐かしい。
この時に〝コツコツ練習する〟ことがどんな感じか理解はしてくれたものの、その後、私が忙しかったのもあり 春休みにちょこっと練習したくらいで、あとはピアノに向かうことはありませんでした。
ここまでの取り組みを通して、音楽が好きなんだな、というのが分かったのが一番の収穫だったかな。
4歳8ヶ月:成長と余裕を感じる
《4歳8ヶ月時の特徴》
・だんだんと文章が読めるようになってきた。
・4歳になりたての頃に比べると、手先や体の使い方が器用になっている。
・引っ越したことと、私の働き方が変わったため、練習時間が確保できるようになり、週4〜5回ほどピアノに向かうことができる。
・生活の中で「書く」遊びを楽しめるようになってきた。
引っ越しが終わったのがちょうど夏休み。
そこからまたピアノに向かいはじめました。
ブランクが空いた分教本を戻ることもなく、続きから。
スラスラと弾いています。
子どもの成長って、すごいな…と本当に驚きました。
同時に、リトミックの師匠の先生が「早すぎない方がいい」と言っていた理由を、目の当たりにした感じがしました。
同時に音符を読み書きするワークも始め(ピアノの練習日にやるので 週4〜5ページ、ワークも進みます)、譜読みもあまり苦労せず取り組むことができました。
4歳0ヶ月の時は、音符を描くための『小さな円』がうまく描けなかった&うまく塗れなかったので、ここらへんもピアノを始めるかどうかの判断の材料になりそう。
4歳8ヶ月からは、現在まで継続して練習を続けることができています。
(あ、先日指を怪我してからは 今はピアノを弾くのはお休み中。ワークだけやっています^^;)
れんさんの場合は、本当は4歳0ヶ月時点ではピアノデビューには早すぎたんだと思います。
練習を継続していく中で、「楽しい」が「好き」や「得意」を伸ばすんだなぁ、とれんさんを見ていて感じます。
ピアノを弾いていない時でも、歌をうたう時間が多かったり、ピアニストさんがピアノを弾く動画を見てまねっこしたり、「〇〇ちゃんの誕生日にハッピーバースデーを弾いてあげたい」と言ったり…ね^ ^
最近(5歳4ヶ月)では、「練習は裏切らない」が感覚的に理解できるようになり、できない悔しさで涙しても、練習を継続する根性も見せてくれています。
(←これまで 右手:メロディー 左手:伴奏 の曲ばかりだったのが、初めて 右手も左手もメロディーの2声の曲を弾いた時の話です。)
やっぱり、始めるのに適している時期が人それぞれあるんだよね。
ピアノ、いざ習うとなると 決してお安くはない、しかも家のスペースをかなり必要とする楽器を購入・設置しなければいけないので、悩みますよね(^^;;
いくら本人がやりたいと言っているからといって、続くかどうかの判断もムズカシイし、練習を一人で行う軌道に乗るまでつきあってあげなきゃいけないし…。
私も、一人のピアノの先生(の端くれ)として、せっかく始めるなら長く楽しく音楽に触れ合って欲しいな…と思ってれんさんの体験談を書いてみました。
小さな(大きな人も…ですね^ ^)ピアニストたちが楽しい音楽ライフを送れますように…。
今日もありがとうございました!
この記事も、判断するのにちょっと役立つかなぁ。